囲碁ってなんだろう
囲碁ってなんだろう
及川 尚 (囲碁サロン絆)
老若男女にかかわらず囲碁を知らない人は、最初に碁盤碁石を見たとき、用途の見当がつかないのがふつうだ。盤上の線、黒点、白と黒の円形物。「これは一体、なんだろう」。生を受けた赤子が初めてこの世を見るのと、同じ感があるのではないだろうか。
その赤子を親は慈愛をもって育み、世の中を少しづつ教え、成長を楽しみに待っている。囲碁もこれと同じではないだろうか。盤上の線、黒点、白と黒の円形物はなにかと教え、どう使うのかと教え、なにを目的とするかを教え、成長を楽しみにしている。
成長が進んでくると、当然ながらこれまで教わったことに、
「なぜ、どうして」
という質問が多くなる。
そのような質問を受けたときには面倒がらず、一緒になって学習していくことが大事なのではないか、と昨今は思うようになった。
「ああっ! 囲碁はむずかしい」
「ああっ! 人生はややこしい」
でも、両方ともじつは楽しいものなのです。
皆さん、囲碁と人生を大いに楽しみましょう。
(「日本の碁」第3号掲載/平成26年8月14日発行)