全日本囲碁協会発足 一歩一歩着実に
全日本囲碁協会がいよいよ発足しました。これまでの土台作り、出発時の準備などに努力された人達に敬意を表し、理事長という重責をできるかぎり全うしたいと思っています。
日本の碁が中国や韓国にくらべて技術的に後れをとっていることは、さまざまな原因があっても事実です。しかしそれは、プロ棋士の奮起に期待しましょう。活動を始めた「GO・碁・ジャパン」が、少しずつ技術レベルを引き上げているようです。
ゲーム性に主眼を置く新興国の囲碁にくらべ、精神性を重要視するのが日本の碁です。勝負の結果よりも内容に注目する風潮は、日本の碁の底流となっています。
さらに、囲碁の効力――人間に与える精神的身体的効果の研究は近年ことに進み、多くの論文が発表されてきました。それらを基礎として囲碁への新しい視点を模索し開発して、いままで修養と一口に呼ばれてきた人間性への応用を分析し整理して、多くの人達へ示したいというのが全碁協の目的なのです。
そのためには、一般社団法人から公益社団法人への昇格を目標にしなければなりませんし、なすべきことは山積しています。
とはいえ、焦ることなく一歩一歩着実に前進しようというのが私の信条です。設立理事には高齢者が多く、新しい血を導入したい。徹底的に論議して、よりより方策を求めていきたいと思います。(談)