山下敬吾、棋聖挑戦&900勝達成
山下敬吾九段 が第40期棋聖戦の挑戦者に決まり、4連覇を目指す井山裕太棋聖との七番勝負は、1月14日、会津若松市で開幕します。両者の七番勝負は3年連続になり、これは棋聖戦史上初のことです。
挑戦権を獲得した村川大介王座(当時)との一戦は11月9日に行われ、この一局は山下九段公式戦通算900勝目のメモリアル対局でもありました。しかも37歳2か月での達成は史上最年少記録、加えて入段から22年7か月は最短期間と記録づくめでした。この対局担当の観戦記者Sさんは、間違いなく山下九段の勝利を期待していたでしょう。挑戦権獲得で900勝達成と、こんな大きなネタが重なることなどまずありません。その結果は山下九段の白番中押し勝ち! 観戦記者氏は内心快哉を叫んだことでしょう。
この陰で悲哀を味わった記者もいました。山下九段のこの一局前は十段戦本戦2回戦、対余正麒七段戦でした。この碁の観戦記者もメモリアルの900勝を期待して、盤側に居ました。黒番の山下九段に勝機は十分ありましたが、終盤で錯覚があって900勝は成りませんでした。内心ガックリ肩を落とした観戦記者氏ーそれは私でした。
第3回 27年11月25日
酒巻忠雄(本因坊秀芳囲碁さろん)