「いい夫婦の日」優勝秘話(2)
11月22日・いい夫婦の日「夫婦(めおと)棋士トーナメント」で優勝を飾った三村芳織・智保ペアの強さの秘密は、
「ツメケン」にあると思います。ツメケン???ー漢字にすると「詰研」、つまり詰碁研究会です。
毎月1回、三村九段が主宰する千葉の「市川子供道場」に、若手棋士を中心に20数名が集まり、詰碁の勉強会
です。超難解な詰碁ばかり50~60題が宿題として出されます。ときには50手詰めというものなどあるそうで、レベル
の高さは半端ではありません。見学した11月9日、藤沢里菜女流本因坊(当時)、奥田あや三段ら女流をはじめと
する若手に混じって、溝上知親、加藤充志両九段 ら中堅の顔も見られました。
例会日は宿題の答え合わせで、中心は許家元三段。宿代を見ながら「黒が二線にハネて、白トビ、黒上にツケて
……」とスラスラ読み上げ、三村九段が「そうですね」と答えて正解が確認できます。これを聞きながら各自が採点
します。林漢傑七段は、「毎月50題以上の宿題はかなり過酷ですが、いい勉強になります。それよりも、毎月難解
な詰碁を集めてこられる三村先生には、頭が下がります」
第5回 27年12月15日
酒巻忠雄(本因坊秀芳囲碁さろん)