なぜ全碁協か
なぜ全碁協か
内久根孝一(いずみ囲碁ジャパン)
もう二十年も前(現役時代)、私は「碁会所の日本列島縦断」を画したことがあった。全国を碁会所で埋めたら、いつ、どこへ行っても碁が打てる。当然、それは普及にも大きくつながるはずだ……。
東京八重洲を皮切りに、金沢、仙台、京都、大阪と次々に作っていった。ところが、好事魔多し、バブル崩壊。金融機関は巨額の不良債権を背負い込み、「そんな場合か」と、せっかく作った碁会所は全店閉鎖の憂き目に遭う。
私は意地も手伝って代表格の八重洲を個人で買い取り、「いずみ囲碁ジャパン」を設立した。しかし普及という観点からすれば、一店だけではとうにもならない。碁界に何も貢献できないのではないか、焦燥、諦め、悔しさ、何か対策はないのか。
そんな折も折、あのレジェンド菊池康郎氏が日本碁界の現状に危機感を持ち、全国(これが大事)組織を立ち上げた。まさに神の配慮というべきか。私は双手を挙げて参加を表明した。
現在、設立早々ではやむをえないが、組織体制は不十分。運営財源も不十分。私は発起人菊池、桑原氏に、「体制が整うまで事務全般を当社で引き受けましょうか」と申し出て了承された。
さいわい、全碁協は一歩一歩前進している。さらに今般ホームページが開設され、多くの人が参加しやすくなった。次は全国各地域で本会の趣旨を理解し、情熱をもって賛同し、そして行動していただける有志同志を糾合すること。こぞって立ち上がり「日本の碁」復活の狼煙を上げたい。