囲碁を知らない人から見ると、碁盤はだだっ広い
囲碁を知らない大人は、私たち碁打ちが感じているよりはるかに囲碁が複雑で
難しいゲームのように感じているように思います。
その一つの要因が碁盤の(将棋盤やオセロ盤とくらべての)あのだだっ広さ
にあるのは間違いありません。
「こんなの、子供のときからやってなきゃ無理だよ」
と思われても仕方ないでしょう。
もちろん入門ツールとして6路盤、7路盤、9路盤(あるいは4路盤!)などは
存在するのですが、大人の入門者にとっては、しょせん「子供だまし」のものに
思えてしまうでしょうし、到達すべきゴールが遥か彼方の19路盤であるという事情が
依然として立ちふさがっています。
このことが、「ちょっと囲碁をやってみようかな」と、そもそも思ってももらえない、
大きな心理障壁になっているというのが私の考えです。
(子供はそんなこと気にしないので、子供への入門指導ではあまり関係なかった
だろうと思います。あくまで【大人】に囲碁を始める意欲をもってもらえるかどうかに論点があります)
19路盤はすごく深い楽しみがあるのだけれども、
9路盤や13路盤が【大人にとって十分なゴール】なんだよ、
そんなことを囲碁を知らない人たちに示せる囲碁界。
それを作っていくことが囲碁の普及にとって大きな大きな力になるのだと信じています。
昨年、プロの13路のトーナメントの企画・実現に奔走したいちばんの理由が
そこにありました。全碁協の中でもそのような活動をしていければと思っています。
企画委員 政光順二