現役最年長・95歳の杉内九段
今週の木曜日、市ヶ谷の日本棋院で天元戦B予選、王立誠九段ー杉内雅男九段 戦がありました。杉内九段は大正9年生まれの95歳ですが、今も現役で対局しているのは驚きです。若いファンの方には馴染みがないでしょうが、昭和29年と33年の2回、高川秀格本因坊に挑戦したトップ棋士です。碁一筋の謹厳実直な人柄から「碁の神様」の異名をとりました。昭和の囲碁史を彩った坂田栄男、高川秀格、藤沢朋斎、藤沢秀行ら同世代の名棋士が鬼籍に入られた今も現役を続けているのは、奇跡的なことです。
10代に若手との対局もよくあり、70歳差以上の対戦はざらです。ちなみに最近3年間の成績は、19勝25敗の負け越しですが、今年は3勝3敗の打ち分けです。王九段とは白番で細かい碁でしたが、残念ながら6目半負けでした。
なお、日本棋院の現役年長第2位は夫人の寿子八段で、昭和2年生まれの89歳です。
第20回 28年6月25日
酒巻忠雄(本因坊秀芳囲碁さろん)