グリーン碁石と夏樹静子さん
3月19日、作家の夏樹静子さんが亡くなられました。77歳でした。
夏樹さんは日本のアガサクリスティと称され、数多くのミステリーをはじめ、裁判員制度を題材にした作品なども発表し、社会派女流作家としても知られています。
一方、無類の愛好家でもありました。子育てを終え囲碁に熱中していた頃、眼精疲労を患い医師から「森や林などの緑をみなさい。白黒はコントラストが強いので、囲碁などもっての他」と、囲碁を断念に追い込まれました。そこで夏樹さんは「碁石を緑にしたらー」と発想を転換したのです。こうして「眼に優しいグリーン碁石」が誕生したのです。毎年新緑の5月に日本棋院で「グリーン碁石囲碁大会」が催され、20年間も続けられました。
囲碁史の1ページを飾った夏樹さんの惜しまれる逝去でした。合掌。
第14回 28年3月25日
酒巻忠雄(本因坊秀芳囲碁さろん)