職人はいる。商人がいない。
江戸時代から400年続く、陶器の老舗店主の言葉だそうだ。
三重にあるそのお店、長く売上が低迷していた。
しかし、あのテレビ通販のジャパネットたかたで販売した途端、
ブームになって製造が追いつかなくなったという。
三重県は昔、琵琶湖の底。プランクトンが含まれる粘土で造った鍋は
食材を美味しくするそうだ。ではなぜその素晴らしい鍋が、
今まで売れなかったのか。
職人はいる。商人がいない。
ジャパネットたかたは、年商1000億円を超す。
1社で、囲碁市場の何倍もの流通を生み出している。
なぜそんなに売れるのか。
彼らは、ほとんど物をつくっていない。他社のものを、自社で売ってる
だけだ。それもジャパネットだけでしか買えないもの、ほとんどない。
「伝える力」、一本で勝負している。
使ってもらったら、その良さがよく分かるもの。
囲碁は、その三重に埋もれていた、鍋である。
囲碁業界の人、いま全員が、職人である。
全員、職人として、日々頑張っている。
囲碁を多くの人に知ってもらうには、商人にならなければならない。
「伝える力」を、磨かなければならない。
高田社長のイントネーションに、負けてはいられない。
職人から商人へ。
これから全碁協は、囲碁界で史上初めて、商人になる。
企画委員 根本 明