広報よりNO27 (NHKドキュメント72」番組始まって以来最高の反響!!
「NHKドキュメント72」番組始まって以来最高の反響!! 川村 麻紗子
7月8日(金)に放映された「囲碁の魔力に囚われて」がすこぶる面白かった。
日本最大の歓楽街新宿歌舞伎町の一角にある24時間営業碁会所「秀策」の三日間のドキュメント。
72時間を25分の番組にするには、大変な苦労があった事と思う。
この番組は、全国放送、もちろん囲碁を知らない視聴者が殆どだ。
「子供みたいな大人達が集う不思議な場所。」「色んな人生が通り過ぎい往く。」
「誰もが自由で平等な異空間。」などのナレーションやスーパーも自然でいい。
店内の居酒屋並みの豊富なメニューに驚き、毎日顔を見せる個性豊かな常連さんの多さにも驚く。
40時間居続けた、元キックボクサーの個人タクシーの運転手さん。
プロを目指し挫折しても毎日来て碁を見てしまうという青年。
40~50年打っていても「囲碁は本当に楽しいですよ。」とラーメンを食べながら打つオジサン。
30年毎日来る常連で皆を和ませるという「エンジェルさん」と言う名の愉快な男性。
石を取られそうで「アイアム困ってます。」というアメリカ人。
彼が語る囲碁の魅力は、視聴者に新鮮に伝わった事だろう。
小学生と高校教師の対局。
二度の倒産と三回の離婚を経験し「皆去って行ったけど今は全部囲碁の友人です。」と
楽しそうに語る男性。彼らの語る「此処はパワースポット、若さを保てる場所。」
「囲碁は考え方が無限。」「此処はリセットの場所」等の言葉が印象に残る。
「プロは勝たないと次がない厳しい世界です。」と深夜に来て語る武宮陽光六段の姿もあった。
今は少なくなった人と人とが暖かく居心地のいい碁会所の雰囲気がよく出ていたと思う。
席亭の桑原靑人(全碁協理事)さんは、優しく見守る姿が一瞬映っただけ、席亭の紹介も店の名前も
一切出ない。
さすがNHKの人気番組だ。売り込みに見られやすい事や「やらせ」を徹底的にカットしている。
桑原さんに感想を聞くと、「さすがだと感じた事が二つあります。」と言う。
「一つは二交替のスタッフの真摯な取材態度、もう一つは菊池康郎氏他有名人を一切カットしたこと。」
「いい感じの場面も幾つかあったのでとても残念ですが仕方ないです。」と語っていた。
放送終了後、番組のツィートに寄せられた書き込みは、過去最高の数との事。
「囲碁って面白そう。」「やってみようかな。」「いゃー色々な人生があるんだなあ。」等々・・・
珠玉の言葉がいっぱいだ。三村智保九段、張 豊猷八段、高梨聖健八段の投稿もある。
放送を見逃した方は、14日(木)AM1:00~1:25の再放送を是非ご覧ください!!