初手、1時間18分の大長考!
26日の木曜日、市ヶ谷の日本棋院で珍しいことが起きました。私は棋聖戦のSリーグ、山下敬吾九段ー村川大介八段戦の観戦記で、朝から記者室に詰めていました。
10時の対局開始から間もなくして、記者室のモニターテレビの一つに動きがなく、「おかしい。故障か?」との声が出始めました。他の画面は一手一手着手が表示されているのに、柳時熏九段ー姚智騰三段戦(第72期本因坊戦最終予選1回戦)は全く表示が出ません。やがて6階の対局ホールを見に行った者が、「姚が考え込んでいるー」とのことで騒然となった。私も覗きに行くと、姚三段がじっと盤上を見つめているだけです。
30分1時間と経過し、やがて第1着が右上隅の星に打たれたのは、1時間18分後でした。この大長考(?)の理由は明らかではありませんが、機会があったら本人から聞いてみたいものです。本局の結果は白番柳九段の中押し勝ちでした。なお、この最終予選には藤沢里菜三段が勝ち上がっており、あと3連勝すると女流初の3大リーグ入りとなります。
第19回 18年5月26日 酒巻忠雄(本因坊秀芳囲碁さろん)